こちらのページでのブログでは、大変ご部沙汰しております。。。
今年も、農作物への光害(夜間照明照射による農作物の品質低下・収量減少)について、
情報収集を進めております。
最近は、おかげさまで各地での講演機会を頂戴し、
新規の光害事例は、その機会に公開しておりますので、ここでは出し惜しみの小出しで(笑)。
そんな中で、最近よく問い合わせを頂戴する事例から、
実際の光害場所と対策の実際をご紹介します。
【道路改良による新設照明 : 光害事例】
水田隣接道路に限らず、道路は特に自動車が走行しやすいように
改良されており、水田縮小と共に、カーブ区間の直線化や、
取り付け道路の新設・交差点の増設などが見られます。
その際、新しく設置される照明により、
新たな光害箇所が増えている現状です。
下記は道路改良時に、旧道の出口に交差点を設け、
その際に照明を設置した箇所です。
↓
画像左側は「穂が垂れています」が、右側の照明に近い方ほど生育が遅れ、
穂ですら出ていないことがわかります。
≪ご参考≫ この圃場での夜間確認の様子・・・【コチラ】
【「商業施設」敷地内照明の隣接水田への配慮 : 対策事例】
水田地帯に道路が開通すると、民家・商業施設もだんだん増えてきます。
コンビニ、ガソリンスタンド、飲食店、ドラッグストア・・・、チェーン店も多いです。
郊外店となると、広いスぺースに駐車場を設けており、
夜間の来客者の安心安全のために照明も設置します。
その照明について敷地の脇に取り付けていると、
水田隣接の場合、少なからず漏れ光(駐車場を照らす目的であるが、
後方にまわりこむ光)が当たってしまいます。
照明設計時は、そんなに当たらないだろうと思い照明設置をしていても、
実際は農業生産者側からクレームがあり、対策に苦慮するケースが多いです。
そんな中、特に多い対策としては、「照明を消す(消灯)」です。
下記のような事例ですが、夜間は駐車場に照明がないと、
安全配慮に欠けた入りづらい場所として感じてしまうところです。
(また、遮光板等で対策しても、ゴミを捨てられやすい、不審者が潜むなどの問題もあるようです)
↓
下記は、光害のおさらいです(ネタ再掲)。
≪イネへの光害≫
夜間照明がイネに照射されると、実りが遅くなったり、なくなったりします。
そのため、農業生産者は収入にも影響することから(量と品質~等級ダウン)、照明設置を嫌います。
よって、照明設置に反対し、生活道路や中学生や高校生への部活帰り等の通学路に
照明設置が進まない問題もあります。
≪現在の対策≫
安心安全確保のために折角設置した「照明」なのに消したり、
幕をとりつけ照射範囲を制限したり(電気代は一緒、エコに逆行)。
≪山口大学~当社の技術≫
人には快適に感じる照明(色)でありながら、イネの生育に影響のない
照明技術を開発しましたので(さらに応用研究も進行中)、
現在、照明メーカーと技術搭載の「光害阻止LED照明」の
商品化を進めております。
よって、照明設置が進まなかった場所への照明普及(夜間の安心安全確保)と、
光害場所への照明交換の手助けとなればと考えております。
(いよいよこの秋、市販化・商品発売のプレスリリースを行う予定です)
◆ これまでお示しした 「農作物の光害事例」集は → 【コチラ】 ◆
◆ 農作物の光害に関する 判定・講演依頼などは → 【こちら】 ◆