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株式会社アグリライト研究所では、平成27年度より約2年度間、
山口県の「やまぐち産業戦略研究開発等補助金」の
事業名「おいしさを追求したローコストパッケージ型植物工場栽培用LED照明の開発」の採択をうけて、
共同研究者のブルーウェーブテクノロジーズ株式会社と山口大学農学部山本晴彦教授と事業を進めてまいりましたが、
この度「植物工場栽培用LED照明ユニット」を開発・事業化しましたので、お知らせいたします。
植物工場栽培用LED照明は、経営者目線の早く生育させたい(栽培回転数アップ)目的のものが目立ちますが、
消費者目線の「おいしい」「また買いたい(リピーター)」野菜を栽培することを適える目的のものはありません。
この度、農業気象学を専門とする「株式会社アグリライト研究所」(山口大学農学部発ベンチャー企業)は、
必要な生育環境への基礎研究成果(社会利用できるように再現性や低コスト化を目指した応用研究も実施)を持ち合わせていることから、
経営者・消費者それぞれの目線の需要を適える目的から、
家庭(消費者)・販売者(バイヤー)・経営者(植物工場生産者)の関係を良好とする「光」を作り上げることに成功いたしました。
(研究供試作物は、葉物野菜でよく選択されている「フリルレタス」を使用)
これは、生育環境構築による安定生長後の生体調査(重量や大きさなど)、
アミノ酸分析装置・味認識装置・官能試験の評価を組み合わせた数値評価を、
農学的に、2年間のうち光のみの生育環境に変化をつけては栽培し評価を継続することで再現性確認したもので、
今回は3種の光のラインナップを、植物工場栽培用LED照明ユニットとして展開します。
さらには、LEDの特性も思う存分活かして、コスト削減(必要照明数削減、照明交換頻度減少による人件費削減、電気代削減)や
見えないメリット(作業環境の視認性向上で作業ストレス解消<赤青照明にありがちな植物の色がわかりずらい紫色環境ではない、自然に感じる光環境>)
照明器具ボリューム縮小による高さ方向優位性(多段化が可能)をもたせ、
本事業化LED照明器具導入による「植物工場運営の全体でローコストとなる」パッケージ提案も可能な材料となりました。
植物工場の構成要素を的確に組み合わせるコンサルタントを通じながら、
うまく生育しなくなる懸念から蛍光灯からLED化へ踏み切れない植物工場事業者さまや、
光も含めた栽培条件(生育環境)の設計に悩まれている植物工場新規参入検討事業者さまへの提案を、
国内外含め進めていきたいと思います。
(灯具への組み立ては、ブルーウェーブテクノロジーズ社(山口県宇部市)で行い、
株式会社アグリライト研究所が、光環境構築業務のコンサルを含めながら納入していきます。「国内生産品」。)
≪当社の植物工場コンサルタントの考え方 ~ http://www.agri-light-lab.co.jp/?page_id=2561≫
灯具姿は、取り付け方による下記の2種、光の色(光質)は3種類となります。
↑ VegeLEDS(ver.1)栽培棚への実装例
↑ VegeLEDS(ver.2)<実栽培棚へのセッティング法を検討した灯具姿改良版(灯具厚さを感じさせないフラットな取り付けが可能)>
事業体制・目的
◆下記のような役割分担により、検討内容と試作・試験系を組み合わせながら進めてきました。
・農学アプローチから植物生長に必要な光要件設計と、実証試験・生長解析実施
・植物への光要件を満たすLED照明器具の設計開発と実用商品化
・光も含めた農業気象要件の監修
◆「光のアプローチで”おいしさ”を制御できる安定植物栽培用LED」(目的)
植物工場での栽培棚LED照明は、早く生育させる(単位期間の収穫数を増やす)・栄養成分を相対的に増やす経営者目線での目的が目立ちますが、
「おいしい」と感じる野菜が「安定的」に生産できる目的での商品ラインナップはみません。
また、ラボレベル(大学等での研究室)の研究成果を、商業大規模工場に持って行っても再現・安定化が難しい状況です
(アグリライト研究所にもよく相談があり、生育環境診断コンサル等をさせていただいております)。
そこで、当方では、植物工場の商業運用に視点を置いた際の、
購入者の指向は「おいしいから」(リピートする)・バイヤーの指向は「安定的に供給してくれる」という需要をかなえるために、
事業化へ向けてこの度プロジェクトを起こしました。
株式会社アグリライト研究所では、特に農学の中でも農業気象学を専門としているので、
当たり前に安定的に生育できる環境と、ある特徴を持たせることによる特徴づけ(性質)を行う「基礎研究成果」を持ち合わせ、
<経営者目線である> 早く生育させる(生育単位期間の収穫数増、もしくは短い期間で出荷基準への収量をかなえる)
<消費者目線である>「おいしい」(野菜だけで)と感じる野菜が「安定的に」(年中)生産できる
需要を「光」のアプローチのみで実現します。
さらに、LED化による、必要光環境を実現する実装照明数も減らせて、照明のイニシャルもランニングコストの削減も期待できます。
学術基礎研究成果(研究実証施設「finevege-LAB.」(読み方:ファインベジ-ラボ)を立ち上げて実施)→
事業化(農学知見を投入し灯具を完成させ、安定栽培・安定効果)までがここに至りました。
特徴
◆商品名
VegeLEDS(読み方:ベジレッズ・商標登録「第5932756号」)
◆バリエーション
おいしさをつかさどる「食感(シャキシャキ感の違い)」「旨み(特定アミノ酸含有量の違い)」が異なる感じ方となる
「3種類」のラインナップ × 実装手法の異なる「2種類」の形状
◆蛍光灯と比較した特徴
「蛍光灯」照射環境下に比べて「VegeLEDS」照射環境下では(フリルレタス栽培の場合、日産1,000株収穫規模の工場モデルとして)、
【早く生長(収穫までが早い)】
・目標重量に至るまでの日数が「2割早く」到達する(工場栽培規模は問わず。光以外の環境制御との組み合わせることでも変化します)
【運用作業費用削減】
・照明器具交換頻度が「2年に1回」から「10年に1回」となり、交換にかかるコスト(資材と作業)を1,000万円削減(10年に至るまで4回の交換作業)
(蛍光灯の場合、発光効率が徐々に下がり光合成量に直結するので生産量も減少するが、
7割まで我慢して利用した場合の蛍光管・インバーター費用と、交換工数により計算。生産効率重視の工場はさらに交換は高頻度となり、コスト差は広がる)
【電気代も削減】
・照明にかかる消費電力が約44%となり、年間の電気代を約600万円削減(14円/kwの場合)。
【導入コストはかかるが3年間を経る前に、照明にかかる総費用は逆転優位】
・導入コストは、単位照射範囲に必要となる光源として、蛍光灯(器具+直管)に比べて「2倍」ほど多くかかるが、電気代と交換費用を入れて運用費用を計算すると、
導入後「3年間」を経るまでで、「VegeLEDS」の方が優位となる(かつこの費用よりも、おいしい+収量優位性も大きい)。
【灯具形状による優位性(同空間での収量アップ)】
・単位栽培面(ここでは600mm×900mmの定植板として)を必要な光量(目標日数と重量に関わる)と均一性(歩留りに関わる)で満たすためには、
蛍光管では4本必要であったところ、光源設計と灯具形状の工夫により「VegeLEDS」では2本で要件を満たす設計とした。
また、薄い形状とすることで、また取付治具の工夫で骨材と並行に取り付けることが可能であり、
栽培棚を設置する空間の高さ方向の制約がある場所でも、例えば、物理的に
4段までの空間利用が5段配置でき、初期設計においての空間栽培量(単位日数あたりの収穫量)の優位性も得られる。
報告会(2017/3/22終了しました)ご案内(「地域イノベーション戦略支援プログラム」成果発表会・食べ比べ機会あります)
実施中の山口県「やまぐち産業戦略研究開発等補助金」の
事業名「おいしさを追求したローコストパッケージ型植物工場栽培用LED照明の開発」
について、成果内容と当事業の役割と展開について示します。また、実機も示します。
またプログラム締めの交流会においては、
当方実証環境において、光の条件のみに差をつけて生育した「おいしさ」違いの
複数種のフリルレタスをご試食できる準備をしております。
(都合により、規模縮小または中止する場合もございますので、あらかじめご了承願います)
≪イベント概要≫
日時 : 平成29年3月22日(水曜日)、14時~17時
会場 : 山口グランドホテル
イベントご案内・ご参加申し込み<3月18日締切>など :
http://www.iti-yamaguchi.or.jp/energy/docs/2017022300016/
山口県による報道
http://www.pref.yamaguchi.lg.jp/press/201702/036715.html
ご参考:本イベントの様子(展開後下の方、3つ目の◆)
http://www.agri-light-lab.co.jp/?p=2638
ご参考:関連動画(環境省YouTube「アグリライト研究所の取り組み」も)
http://www.agri-light-lab.co.jp/?p=2794
過去の関連記事(当ブログ)
【事業採択時(平成27年7月)】
http://www.agri-light-lab.co.jp/?p=1732
【事業開始時(平成27年8月)】
http://www.agri-light-lab.co.jp/?p=1735
【実証試験開始の案内(平成28年3月)】
http://www.agri-light-lab.co.jp/?p=2043
【実証試験開始案内の補足(平成28年3月)】
http://www.agri-light-lab.co.jp/?p=2085