株式会社アグリライト研究所は、
内閣府 宇宙開発戦略推進事務局が実施する
「2019年度 課題解決に向けた先進的な衛星リモートセンシングデータ利用モデル実証プロジェクト」に応募し、
採択されましたのでお知らせいたします。(応募件数20件中 採択件数7件)。
今後、提案事業名「衛星データとIoT農業機械による国産パン小麦高収益生産の実証」の代表機関として
実証事業を進めて参ります。
≪内閣府による2019年採択課題一覧 http://www.uchuriyo.space/model/ ≫
≪その後のご報告 【2019年8月(キックオフ)】 ≫
≪プロジェクト終了後、内閣府 S-NET 掲載取材記事≫ 【2020年4月(取材記事)】 ≫
≪成果を利用して開始したサービス「小麦防除適期予測サービス」(2022年7月~)≫
https://www.agri-light-lab.co.jp/?p=7215
実証チーム構成
株式会社 アグリライト研究所 ≪代表機関 ≫
一般財団法人 リモート・センシング技術センター(RESTEC)
実施予定期間
2020年3月まで
提案概要
新品種の開発により生産量が伸びている国産パン小麦について、過去の衛星データとIoT農業機械のデータから、
短期間で生育・適正施肥量診断モデルを構築する。
生産者、農協、自治体などの指導組織への情報提供を行い、国産パン小麦の収量向上と高品質化を図ることで、
生産法人の高収益化や産地拡大、製粉業者や製パン業者などの国産パン小麦利用のリスク軽減により、
国産小麦の自給率向上に寄与する技術の開発を行う。
【背景】 国内産小麦需要の高まり
国産パン小麦の生産は、かつてはほぼゼロであったが、製パン性の高い新品種の開発により増加しており、
自給率向上の牽引役となっている。生産者にとって小麦は冬季の農地利用や収入確保源として重要であり、
製パン業者においては消費者の安全思考から国内産小麦の需要が高まっている。
【栽培管理の課題】 適正な追肥量の重要性
パン加工には高い子実タンパク含量が必須であり、小麦の開花時期の追肥(実肥(みごえ))が大きな影響を及ぼす。
これは新品種のパン小麦は品質が高いだけでなく多収である特徴によるもので、
そのまま生育させると収量増加で子実タンパクの原料の窒素が不足するため、収量に応じた適正量の実肥が必要となる。
実肥は予想収穫量に応じた量の調整が必要であり、施肥量が不足するとパン原料としての品質が低下し、
サプライチェーン全体に重大な悪影響を及ぼす。
【実証目的】
山口県の学校給食用パンの原料となる小麦「せときらら」を事例として、
・生産法人の栽培記録及び収量コンバイン(収量および子実タンパク含量)のデータ
・衛星による植生指数データ
など、すでに測定され数年間蓄積されているデータを過去に遡り解析することで
高タンパク含量を実現する生育予測と適正施肥量モデルを短期間で構築し、
山口県のみならず全国のパン小麦生産の安定に寄与する営農支援情報の提供技術の基礎を築くことを目的とする。
【社会実装における新規性】
・衛星データと収量コンバイン等によりすでに収集された「過去データの振り返り」によりモデル構築を行うため、
着手後短期間でサービスの開始が可能となる。
・指導組織や農協、生産法人などが作成・実践している営農管理指標(栽培こよみ)に沿った予測データを提供することで、
容易に営農作業へ反映できる情報が提供可能となる。
・これまでほ場ごとに農業生産者等の目視観測やカン(目合わせ)に頼っていた適正施肥量決定のための生育判断を数値化し、
評価基準をほ場マップに表示することで、品質の向上や安定化を図るとともに、効率的な施肥計画が立案可能となる。
・すでに収量コンバインの導入(全国1,500台以上)など同等の収量品質データを収集している生産地域についても、
本プロジェクトの手法が適用でき、短期間での技術の横展開及びサービス開始が可能である。
・今回の山口県「せときらら」モデルを基盤とし、他府県で栽培される「せときらら」および
他のパン小麦品種および産地への展開を進める。
【宇宙産業への貢献】
・宇宙データを利用した地域農業課題の確実な解決事例を示すことで、利用検討を躊躇してきた他地域の参入意欲を喚起する。
・従来、多大な労力と時間が必要であった圃場調査からの営農指針の策定を、宇宙データやIoT農業機械により省力化し、
高齢化と就農人口の減少による農業の衰退を抑制する。
・農業生産者や指導組織の方々が各種気象情報を利用する感覚で宇宙データを利用する、
未来志向の情報化農業への貢献を目指す。
内閣府による案内
内閣府 宇宙開発戦略推進事務局では、2017~2018年度に引き続き、
「課題解決に向けた先進的な衛星リモートセンシングデータ利用モデル実証プロジェクト」を実施いたします。
本事業では、衛星データの利活用促進に向け、衛星リモートセンシングデータの先進的な利用モデルの実証を行います。
実証に当たっては、衛星データを活用したサービスを提供する者と、
実際にそのサービスを自らの事業等に利用する者がチームとなることで、
エンドユーザーのニーズを踏まえた真に使えるサービスの創出を図ります。
2019年度は、5月31日(金)から6月28日(金)まで実証チームの公募を行いました。
http://www.uchuriyo.space/model/
山口県による案内
(一部改編)
山口県では、政府関係機関の地方移転による国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の拠点設置を契機として、
山口県産業技術センターに 「衛星データ解析技術研究会」 を設置し、衛星データ活用による新事業創出に向けた取組を進めています。
このたび、研究会会員を代表とするプロジェクトチームが、
内閣府「2019年度課題解決に向けた先進的な衛星リモートセンシングデータ利用モデル実証プロジェクト」に応募した結果、
採択されましたのでお知らせします。(応募件数:20件、採択件数:7件)
https://www.pref.yamaguchi.lg.jp/press/201907/044090.html