農作物の光害(交差点や商業施設駐車場の夜間照明を隣接するたとえば水田のイネにあたることで、
出穂しない・出穂が遅れることでコメの収量や質が低下する)(光害事例集)により、
夜間の安心安全を担う重要な設備である照明を消灯したり撤去する、また照明設置に理解が進まないなどの隠れた社会問題がありますが、
山口大学農学部・山本晴彦(教授)は、国内において作付面積が大きく光害報告が多い「イネ」を対象に、
光害を阻止する研究をスタートし、LEDを用いた光害阻止技術(光らせ方技術)が成立しました。
当社・アグリライト研究所は、この光害阻止技術を含め、山口大学農学部などの研究成果を、
社会に利用できるように立ち上がった大学発ベンチャー企業であり(科学技術振興機構による設立プレスリリース)、
照明器具としての要件(電気回路の安全性や耐久性など)をクリアすることもあわせて
光害阻止技術がLED照明の商品として普及するための応用研究(科学的根拠に基づく山口大学の研究成果・研究手法を用い、
効果再現性やコスト面などの商品の要件を満たす技術研究)」を進めることで、
現在は、岩崎電気株式会社とかがつう株式会社(以下、かがつう社)(技術利用の照明メーカー2社「五十音順」)2社の照明器具メーカーに、
光害阻止技術(光らせ方条件)をお伝えし、同メーカーからLED照明灯具商品が展開されております。
(学会発表・関連特許などは、コチラ)
(商品の問合せは、下記照明器具メーカーさまへお願いします)
2メーカーから発売されている光害阻止技術利用のLED照明は、2015年春から発売され、
36都道府県で設置・普及が始まっております(2019年8月現在)。
その中で、かがつう社で発売している光害阻止技術の利用されたLED照明は、
2019年では、神奈川県横浜市と同社により実証実験(かがつう社が灯具提供)にも利用され、
また、山口県山口市内でも自治会からの要望で新規設置(購入)など、設置場所が増えております。
上記2箇所について、収穫期直前のイネの状態が問題ないことが確認できましたので、下記に画像を示します。
イネ光害懸念で照明が設置できなかった場所へ、当方の研究技術成果搭載のLED照明の普及により、
安心安全な夜間の光環境が提供できればと思います。
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■<設置場所:神奈川県横浜市>(横浜市・かがつう社の共同プレスリリース)
設置への経緯(下記懸念→実証実験へ):
該当道路は、小中学生の登下校で多数利用されており、自治会町内会・学会PTAをはじめ、
地域では防犯灯設置に対するニーズがあったが、沿道は田畑が広がる耕作地域であり、
防犯灯の光による光害が懸念されたことから、これまで防犯灯の設置にまで至っていなかったそうです。
↑ 該当通学路に4灯設置(左上)、下記照明灯具近接の水田の様子(他3画像)ですが、
夜間照射による収量と質の差はみられないと考えます(画像提供:かがつう社)。
■<設置場所:山口県山口市>)
設置への経緯(下記懸念→設置へ):
該当地域はメイン道路から入った水田と住宅地が混在したエリアです。
近くにオープンした商業施設駐車場の照明によるイネ光害が出るなどして、農業生産者の方々は光害懸念があり、
照明設置が進まなかったそうです。
↑ 上部2枚は、同じ灯具を別方向から撮影したもので、住宅地内のカーブしたガードレールも白線もない道路に、
今回新設されました。照明が無ければ車利用ならば前照灯が唯一の照明となる生活道路です。
収穫期に訪問しましたが、夜間照明による収量と質の差はないように確認できました。
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<ご参考>
◆ かがつう株式会社
・紹介動画
◆ 直近の取材(NHK)
【放映:2019年2月15日のNHK「おはよう日本」にて話題が取り上げられました】
http://www.nhk.or.jp/ohayou/digest/2019/02/0215.html
【上記放映記事:2019年2月20日に情報記事になりました】
https://www3.nhk.or.jp/news/special/sci_cul/2019/02/story/special_190220/
【国際放送:2019年3月8日のNHK国際放送局でも上記素材が放映されました】
https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/newsroomtokyo/features/20190308.html
◆ これまでお示しした 「農作物の光害事例」集は → 【コチラ】 ◆
◆ 農作物の光害に関する 判定・講演依頼などは → 【こちら】 ◆