農作物の光害調査は、昨年も把握していて、今年はどうかしら?・・・と気になるところも出てきます。
照明学会も終わった9月9日(日曜日)、 昨年大規模調査(収穫して品質確認も)を行った圃場を中心に、
某県に出向きましたので、その記録を(相変わらず、休みなしが続きますが・・・)。
≪昨年の対象圃場の調査は・・・【コチラ】~事例(新設バイパス)の3部作です≫
11時過ぎに大学を出発、4時間かけてようやく到着、昨年水田を貫いて開通したバイパスに隣接する圃場です。
昨年は、ナトリウムランプの夜間照射の影響を受けて、「穂」自体出てこなかった圃場。
その後、カットルーバー(照射範囲を制限する器具)で対策をする・・・とされていても、
ある程度の照度(明るさ)はあたるので影響すると思っていましたが・・・、
現場をみると、何も影響がなくきちんと成長している(・・・ように見える。ムラがない)。
・・・が、よく見ると照明自体が「撤去」されている。
そして、なにやらLEDランプが代わりに。
でも、テープだらけで、著しい照射範囲制限対策が・・・。
上段2枚は、昨年2011年の様子。下段2枚は、代わりに設置されたLED照明。
察するに、昨年照明が影響して収穫量が下がり、カットルーバーで対策するとはいえ、
今年も同じように影響するのは困る→撤去。
しかし照明が完全にないのは・・・ということで、
LED照明(防犯基準は無視でしょうが)は設置しました・・・ということでしょうか。
そして、上記画像にはありませんが、
この圃場で、もう一つ光害の原因だった灯具は残ったまま・・・、
でも影響なし、何故でしょうか???
夜間、再訪問。
とにかく、暗い。灯具の残った部分は、なんと「消灯」。
この圃場だけで、撤去・消灯という光害対策が行われるようになっていました。
イネの生育は保証(夜間照明影響は、なし)されましたが、安全は?・・・となるのです。
LED照明も照射範囲が狭く、下記画像(右下)でもわかるかどうか。。。
上段2枚は、昨年2011年の様子。下段2枚は今年。圃場にはあたらなくなってはいますが・・・。
この交差点について、下記に昨年との比較をまとめてみました。
十字路近接がすべて田んぼですので、それぞれが同様に照明の「消灯」と「撤去」が行われ、
とにかく暗い交差点となっています。
上段2枚は、昨年2011年。下段2枚は今年。ほぼ定点撮影。
このバイパス沿いは、昨年それぞれの照明において、イネの生育に影響がでていたこともあり、
今現在は、すべての灯具にカットルーバーが装着され、照射範囲の制限で対策しています。
しかし、下記のように道路のみの照射となってしまい、歩道は真っ暗。
ということで、今年は対策により(目視による判定において)農作物光害は確認されませんでした。
(品質~等級判定~収入への影響に対しては、未確認)
しかし、本来夜間における安心安全のための照明計画によって設置された照明の機能は、
照射範囲の制限や消灯によって失われている状態・・・という実例となってしまっているようです。
この近くでは、下記のように、
≪交差点照明≫ カットルーバー対策しているが、漏れ光による生育遅れ。
≪商業施設からの漏れ光≫ 広い範囲で漏れ光があたっている事例。
≪看板への照明≫ 看板だけを照らしているのに漏れ光によって生育が遅れている例。
も確認できました。
それぞれでは、分光(色の構成成分)と照度(明るさ)も測定。
データベースに付加していきます。
帰りも4時間かけて・・・、大学に帰り着いたのは、日付変わって1時半。
走行距離800km弱のドライブが終了するのでした(・・・で、今も1時前だったりしますが)。
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