【山口大学での話題】社会実装2012-3「出穂調査」

このシリーズ、前回7月6日から放置・・・していました。

どうなってます?・・・の声もあり、がんばって2か月分を追って行きたいと思います。

改めまして、開発の「光害阻止LED照明」実証試験の続きです。

(注 : この内容は山口大学・研究員としての話題です。。。)

 

前回までで、照明を取り付ける柱をたてて【その時のブログ】無事に点灯しました~まで進みまして、

その後、農家さんによる田植え~穂が出始める・・・ところまでは、

下記画像のように順調に経過しました。

 

 

穂が出始めてからイベントが始まります。

その名も「出穂調査(しゅっすいちょうさ)」といいまして、

株ごとに、穂は出ましたか?(きちんと生育していますか?)という確認を行っていきます。

どの位置の株がいつ出穂したかを把握することで、

夜間照明の照度(明るさ)と、生育の関係を結びつけるのです。

 

 

この調査は、穂が出始めた株が出始めてから(夜間照明の影響がない場所が一番早く穂が出る)、

夜間照明の影響がある株(生育が遅れているので)の穂がでるのを確認できるまで、

毎日「約200株」を確認していくのです。

昨年の実証試験では、学生主導で行っていましたが(400株!)、

今年は、同じ研究室の岩谷研究員(農学博士)により調査を行いました。

(田んぼには、許可を得て入らせて頂いております。

緑の棒はここからここまで確認します・・・の目印。同じ株を毎日、今日はどうなの?を見ていくのです。)

 

そして、今現在の圃場の様子(9月20日)。

対照となる「市販の白色LED照明」の影響です。

 

 

研究テーマでもあるので、具体的な照度は示せませんが、

(ここで書くと公知になり、学会等で発表できなくなりますので・・・)

数ルクスからの影響が確認されました(詳細解析は収穫して行います)。

穂が垂れているところも、出穂が遅れていたのでまだまだ青米度合いが高いです。

 

そして、開発の光害阻止技術を搭載した照明の影響は・・・

 

 

仮設柱に近い高照度側は、若干生育は遅れているのですが、

対照の市販白色LED照明よりも高照度側で問題ない

(遺伝子実験で阻止効果が確認できている照度)ことは、認められました。

仮設柱に近い高照度側は、遺伝子実験でも影響が出ると確認できている照度エリアですので、

生育遅れが出たのは予想通りです。

しかし、この高照度に対応しなければ、光害の多くの原因となっている「道路照明」には

適用できません。ですから、前回ブログでも示した研究テーマが採択され、

新しく走ることができますので、現在の技術を応用しながら開発が進めば・・・と思います。

 

刈り取りまでは、あと2週間くらいでしょうか。

県内でも田植えが遅いエリアですので、まだまだです。

 

このシリーズ、次回は刈取り時期でしょうか。

収穫してから、コメの品質評価までの詳細解析を行い、

農家さんの収入に影響するかどうか判断を行っていきます。

 

防犯灯に利用できる技術は(生育遅れとなったほどのエリアの照度は必要ない)、

きちんと実証できましたので、まずは一安心です。

現在の技術で、「防犯灯」の商品化を照明メーカーと進めて行きます。

続く。。。