このシリーズ、前回7月6日から放置・・・していました。
どうなってます?・・・の声もあり、がんばって2か月分を追って行きたいと思います。
改めまして、開発の「光害阻止LED照明」実証試験の続きです。
(注 : この内容は山口大学・研究員としての話題です。。。)
前回までで、照明を取り付ける柱をたてて【その時のブログ】無事に点灯しました~まで進みまして、
その後、農家さんによる田植え~穂が出始める・・・ところまでは、
下記画像のように順調に経過しました。
穂が出始めてからイベントが始まります。
その名も「出穂調査(しゅっすいちょうさ)」といいまして、
株ごとに、穂は出ましたか?(きちんと生育していますか?)という確認を行っていきます。
どの位置の株がいつ出穂したかを把握することで、
夜間照明の照度(明るさ)と、生育の関係を結びつけるのです。
この調査は、穂が出始めた株が出始めてから(夜間照明の影響がない場所が一番早く穂が出る)、
夜間照明の影響がある株(生育が遅れているので)の穂がでるのを確認できるまで、
毎日「約200株」を確認していくのです。
昨年の実証試験では、学生主導で行っていましたが(400株!)、
今年は、同じ研究室の岩谷研究員(農学博士)により調査を行いました。
(田んぼには、許可を得て入らせて頂いております。
緑の棒はここからここまで確認します・・・の目印。同じ株を毎日、今日はどうなの?を見ていくのです。)
そして、今現在の圃場の様子(9月20日)。
対照となる「市販の白色LED照明」の影響です。
研究テーマでもあるので、具体的な照度は示せませんが、
(ここで書くと公知になり、学会等で発表できなくなりますので・・・)
数ルクスからの影響が確認されました(詳細解析は収穫して行います)。
穂が垂れているところも、出穂が遅れていたのでまだまだ青米度合いが高いです。
そして、開発の光害阻止技術を搭載した照明の影響は・・・
仮設柱に近い高照度側は、若干生育は遅れているのですが、
対照の市販白色LED照明よりも高照度側で問題ない
(遺伝子実験で阻止効果が確認できている照度)ことは、認められました。
仮設柱に近い高照度側は、遺伝子実験でも影響が出ると確認できている照度エリアですので、
生育遅れが出たのは予想通りです。
しかし、この高照度に対応しなければ、光害の多くの原因となっている「道路照明」には
適用できません。ですから、前回ブログでも示した研究テーマが採択され、
新しく走ることができますので、現在の技術を応用しながら開発が進めば・・・と思います。
刈り取りまでは、あと2週間くらいでしょうか。
県内でも田植えが遅いエリアですので、まだまだです。
このシリーズ、次回は刈取り時期でしょうか。
収穫してから、コメの品質評価までの詳細解析を行い、
農家さんの収入に影響するかどうか判断を行っていきます。
防犯灯に利用できる技術は(生育遅れとなったほどのエリアの照度は必要ない)、
きちんと実証できましたので、まずは一安心です。
現在の技術で、「防犯灯」の商品化を照明メーカーと進めて行きます。