講義&実習を行いました : 「高専ハカセ塾」カリキュラム1機会を承りました(2021年版・3機会目)

当社本社所在地の「みなまた環境テクノセンター」(当社水俣ラボ<Finevege-Lab.(ファインベジラボ)>において、

熊本高等専門学校(以下、熊本高専)八代キャンパスより依頼を頂戴し「講義&実習」を行う機会があり、2021年10月16日(土)に実施させて頂きました。

(ご参考:熊本高専HPでも記事にして頂けました(展開後「第14回」が該当) → “https://kumamoto-nct.ac.jp/update/2021/11/20211029a/

 

これは、国立研究開発法人科学技術振興機構「ジュニアドクター育成塾」の採択事業として有明高専、熊本高専(熊本キャンパス、八代キャンパス)、

久留米高専の3高専4キャンパスで実施している次世代の科学技術を担う傑出人財を発掘・育成するプログラム 「高専ハカセ塾」 の中で、

熊本高専(八代キャンパス)の行うカリキュラムのうち1機会を承ったものです。

 

2018年度 2019年度も御依頼を頂戴し、今機会で3回目となります(昨年度は情勢により会場が使用できず)。

 

今回の「講義&実習」の到達目標として(毎年同様ですが)・・・

1.植物に興味を持ってもらう。

2.移動できる動物と違い、動けない「植物」でも環境応答することへの理解。

3.対象の野菜を実際「収穫」「評価」「レポートにまとめる」を行い、観察・データ取得・考察を体感する。

をコンセプトに、内容を構成して準備を進めてきました。

 

 

 

↑ 今回の作目は「レッドファイヤー」(フリルレタス)を準備しました。

実習内容の構成と準備植物は連動しながら検討、毎年変えています(どうしても葉物野菜となりますが)。

当日の約1ヶ月前から種を植えて毎日生育管理を行い、植物側も準備万端です。

今回の光条件は3種類で、

(左上画像)画像奥の ①「青色光」環境、手前側上段の ②「白色(4000K)温かみのある白」、手前側下段の ③「白色(5000K)青白さに近い白」の環境下で生育させました。

(左下)今回の実習は、歯の色付きも重要な評価項目なので、検討して品種選定を進めました。

灯具に近いところは予定どおり、より赤色に変化しています。

 

 

 

↑ 今回の配布資料。受講生皆さんが使用している実習ノートに貼り付けられるようにA4サイズ4枚のレポート用紙を作成。

観察、測定データが書き込めて、考察が穴埋めできるようにまとめ分を予め記入してあります(カリキュラム時間が限られていることもあり)。

 

 

 

↑ 会場での配置は、対面とならないように配慮。オンライン中継もされるということで、高専持ち込み機材も多く配置。

手順確認・リハーサルを経て、受講生の皆さまをお迎えしました。

 

 

 

↑ まずは、熊本高専八代キャンパスの東田先生から、外部企業での実習についての説明(左上)。

そして、当社対応チーム4名それぞれが自己紹介。

(右上)代表取締役・園山(筆者)からは、当社説明としてヒトの生活に身近な植物を対象に研究している話題

(左下)山口大学内研究所の取締役・岩谷は、山口から生中継(過去2回の開催では来訪でしたが、今回は情勢により)

(右下)画像右側から、馬場研究員・北野研究員・外薗研究作業補佐員と進めます。

毎度おなじみ(?)、蛍光たすきは「スタッフです!」の目印です。

 

 

 

↑ そして、北野研究員の司会進行により、当日の流れや注意事項を説明し、座学スタート。

(上側2枚)移動できない「植物」の環境応答の仕組みとして、光と葉がなぜ色づくかを説明(岩谷)

(下側2枚)実習の内容についての説明(北野)

・・・を進め、

 

 

 

↑ 皆さん楽しみな実習へ。手袋を身に着けて準備します。

 

 

 

↑ まずは、(左上)植物工場(といえる当社の研究環境)で、制御されている栽培環境(光・温度・湿度・風・二酸化炭素など)を説明。

(右上)栽培環境から取り出したレッドファイヤーの比較観察ポイント、収穫時はどこでハサミを入れるかなどを説明。

3種それぞれの光環境で生育したレッドファイヤーですが(1光環境・1パネル24株)、

収穫時はただ作業するのではなく、柔らかさや見た目(色)の観察ポイントがあることをお伝えします。

(左下)そして、収穫体験開始。皆さん各条件で生育したパネルを順番に収穫していきます。

(右下)根も観察。スーパーで販売しているレタスは根を落としてあることが多く、皆さん興味津々です。

その後、休憩時間、収穫野菜と共に講義場所に戻ります。

 

 

 

↑ 今回は3グループにわかれて、評価開始。各グループに、各光環境下で生育した収穫物が配られます。

(右上)重量の測定。天秤を用います。大きいので机に葉がつかないように・・・

(左下)葉数の測定。内部はホントに小さな葉があります。生育期間により次から次へと新たな葉がでてきていることもわかります。

(右下)硝酸態窒素濃度の測定(苦味・えぐみの評価として)。葉をつぶして出てきた液を、測定機器に仕掛けます。

を、各グループで進めていきます。

着色率(赤い部分の割合)は、スキャンでとりこんで着色部と規定した面積の割合を求めます(画像なし)。

そしてレポート用紙に数値を記録し、まとめていきます。

【ご参考:植物生長に関わる知りたい内容により、このような評価も行います(展開後、中央部に「取得データ項目説明」)】

http://www.agri-light-lab.co.jp/?p=3829

 

 

 

↑ そして、グループごとにレポートの結果を発表し(左上、右上、左下画像)、

岩谷取締役より、各グループのデータを集計し、比較しながら考察のポイントを伝え理解を深めていきます。

そしてクロージングへ。このあたり、時間との闘いで毎回バタバタですみません。

私からは、「数値データで示すことの重要性、比較すること。そして受講生同士との出会いは大切に、

また我々も含めて、いつの日か一緒に研究することになるかも!」で来場御礼とあいさつをさせていただきました。

 

 

 

↑ 最後に、受講生代表の田中さんからお礼の言葉を頂戴しました。

 

 

 

↑ 終了後お土産として、収穫野菜(解析に使用していないもの。予備含む)をお持ち帰り頂きました。

今回は情勢により、講座内での実食機会は避けましたので、ご家庭で色付きや見た目・食感の違いを話題にしていただければと思います。

2時間の時間、受講生のみなさん、おつかれさまでした!

 

 

 

【ご参考:植物工場ではこんなことに注意して栽培環境を管理していますページ ↓ 】

http://www.agri-light-lab.co.jp/?page_id=2604

 

【過去の熊本高専(八代キャンパス)でのご依頼実施内容】

おもしろサイエンス・わくわく実験講座2019 「部屋で育てられる野菜栽培キットを作ろう」ブース

研修講師役

 

【同実習:別の機会の実施】

2018年度

2019年度

2022年度