光害阻止技術利用のLED照明「追加設置例」(横浜市青葉区:かがつう社製)

神奈川県横浜市(青葉区)では、

実証試験として、2019年3月に「光害阻止技術を利用したLED照明(かがつう社製)」が設置されております。

その後、同エリアに追加設置が進み、さらに今年度(2022年度)以降も追加の動きがあります。

この度、2022年3月に、該当を訪問しましたので、実証試験~追加設置事例としてお示しいたします。

(光害阻止技術は、当社2011年起業時のコア技術(光らせ方技術を当社からかがつう社へ許諾)ですが、最下部に示します)

 

 

【これまで防犯灯照明が取り付けられていなかった】

該当エリアの道路は、小中学生児童・生徒が登下校で多数利用されており、自治会町内会・学校PTAをはじめ、

地域では防犯灯設置に対するニーズがあったが、沿道は田畑が広がる耕作地域であり、

防犯灯の光による光害(農作物光害事例集)が懸念されたことから、これまで防犯灯の設置にまで至っていなかった背景があります。

 

 

【実証試験】

当社から光害阻止技術利用を許諾している「かがつう社」は、横浜市に対して、該当エリアへのLED照明設置提案を行い、

実証試験が2019年から開始されました(かがつう社は、横浜市内が本社所在地(現在は、都内に本社移転))。

水田が隣接する既存の電柱4本を対象に、1本1灯を設置。

横浜市・かがつう社の共同プレスリリース

 

 

【現地訪問(2022年3月)、追加設置】

 

 

↑ 2019年に、既存電柱へ「光害阻止技術搭載LED照明」が設置されているエリア。

画像右側が水田地帯。設置された年の夏、イネは正常に生育していることが確認できました。

 

 

 

↑ 2021年2月中までに新規設置されたエリアの灯具の様子。

2019年に実証エリアから連続する道路で、これまで光害懸念で照明が設置できなかった場所に、ポールと共に新設されました。

実証試験において光害発生しない目的通りの効果(2019年・2020年シーズン)が確認されたから、

通学路の安心安全確保目的により追加設置となりました。

今回の訪問は、日曜日の午前中であり通学風景は確認できませんでしたが、

車の往来、また、ウォーキングやジョギングされる方が多い印象でした。

 

 

【再訪(2022年8月)】

 

 

↑ 出穂のころ再訪問しましたが、イネ光害が起こらず均一な生育が確認できました。

 

 

 

 

全国各地で、光害懸念により照明設置が進まない事例をお聞きしますが、

まずは試験設置を行い、地域の声を確認してから本格設置に進む自治体も増えてきました(地域の声が重要)。

田植えが始まるシーズンと刈りとりシーズンは、

イネへの光害(夜間照明のイネ品質・収量への影響)は本当にあるのかといった問合せが増える時期です。

光害阻止技術搭載のLED照明設置の先行事例が増えれば・・・という設置者(地域の方から照明設置要望をうける部署)の声もよくお聞きします。

本件も事例の一つとしてお示しさせていただきました。

 

 

2015年春から発売開始された、光害阻止技術搭載のLED灯具ですが、

現在までに40以上の都府県で導入されておりますが、設置後不具合の連絡もなく、各地で効果を示しています。

今後も、夜間照明の農作物による収入(収量・品質低下)への影響懸念で照明設置が出来なかったエリアへの

灯具普及、既存灯具の置き換えにより、安心安全な夜間の光環境が提供できればと考えております。

(ご参考 : 政令指定都市「神戸市」への導入事例

 

 

 

【光害阻止技術にかかる説明(再掲ベース)】

農作物の光害(交差点や商業施設駐車場の夜間照明を隣接するたとえば水田のイネにあたることで、

出穂しない・出穂が遅れることでコメの収量や質が低下する)(光害事例集)により、

夜間の安心安全を担う重要な設備である照明を消灯したり撤去する、また照明設置に理解が進まないなどの隠れた社会問題がありますが、

山口大学農学部・山本晴彦(教授)は、国内において作付面積が大きく光害報告が多い「イネ」を対象に、

光害を阻止する研究をスタートし(本格的には2003年から)、LEDを用いた光害阻止技術(光らせ方技術)が成立しました。

 

当社・アグリライト研究所は、この光害阻止技術を含め、山口大学農学部などの研究成果を、

社会に利用できるように立ち上がった大学発ベンチャー企業であり(科学技術振興機構による設立プレスリリース。起業時の目的。)、

照明器具としての要件(効果再現性、電気回路の安全性や耐久性など)をクリアすることもあわせて

光害阻止技術がLED照明の商品として普及するための応用研究(科学的根拠に基づく山口大学の研究成果・研究手法を用い、

効果再現性やコスト面などの商品の要件を満たす技術研究)」を進めることで、

岩崎電気株式会社(現在は終売)とかがつう株式会社(以下、かがつう社)(技術利用の照明メーカー2社「五十音順」)2社の照明器具メーカーに、

光害阻止技術(光らせ方条件)をお伝えし、同メーカーからLED照明灯具商品が展開されております。

(学会発表・関連特許などは、コチラ

(商品の問合せは、照明器具メーカーの「かがつう社」へお願いします)

 

<ご参考>

◆ かがつう株式会社

商品紹介(LEDEEMA)

2015年圃場での効果確認の様子

2019年圃場での効果確認の様子

2021年圃場での効果確認の様子

紹介動画

 

◆ 最新の関連取材記事(マイナビ農業)

【2022年1月:『街灯で生育不良!? 光の問題を解決する「光」』】

https://agri.mynavi.jp/2022_01_26_182831/

 

◆ 最新の動画取材(NHK)

【放映:2019年2月15日のNHK「おはよう日本」にて話題が取り上げられ、同2月20日に情報記事になりました】

https://www3.nhk.or.jp/news/special/sci_cul/2019/02/story/special_190220/

 

◆ これまでお示しした 「農作物の光害事例」集は → 【コチラ】

 

◆ 農作物の光害に関する 判定・講演依頼などは → 【こちら】