アマモ研究 : 熊本県立芦北高等学校との共同研究(2022年5月)

熊本県立芦北高等学校(通称:芦高<あしこう>)とのアマモを対象とした共同研究体制も、42ヶ月目となりました。

(これまでの活動記録は、本ページ最下部のリンク集(計37本)からご覧下さいませ)

2022年5月は、干潟活動(移植したアマモの観察)とドローンによるアマモ場空撮を行いました。

 

 

 

<干潟活動>

芦北のアマモ場は4月から映えてみえますが、まずは芦北高校との活動日前に事前調査です。

 

 

↑ ん? 今シーズンのアマモは4月が一番綺麗に見えて、5月は衰退がはじまっていました。

子孫を残す種を蓄えた「花枝」が増え、役目を終えた栄養株は枯れてきます。

 

 

 

↑ そして芦北高校との活動日。潮位がゼロとなる前に、事前観察です。

アマモ場のあるところは波がおだやかとなり、水面が鏡のように見えます。

アマモ場に通いはじめて5年目となりますが、これまでの訪問で最も海水の透明度が高く、

堤防からでもはっきりアマモが確認できる機会でもありました。

 

 

 

↑ 外海(堤防から南側)では、これまでアマモが確認できなかったエリア(堤防付け根に近い、自生しなかったエリア)に、

ぽつぽつとアマモを見ることができます。

 

 

 

↑ その後、潮位がゼロとなるころ、芦北高校(林業科 アマモ班)と合流し、干潟活動開始です。

当社からは、筆者の私(園山)と北野研究員で参加しました。

外海の、昨年11月から移植しているアマモ試験区で、アマモが生存しているのは例年どおりですが、

その前の先輩が移植した試験区のアマモも自生しているのが確認できます。

先月ブログ で示した「ロープ式下種更新法」を仕掛けたエリアとは別です)

 

 

 

↑ (左上)今月も、潮位ゼロではアマモ干出中(内海(堤防側北側、画像では右側))。

(右上)外海。1年先輩が昨年11月から移植したアマモ試験区の、草丈測定・花枝有無調査。

(左下)内海。自生アマモの草丈測定。

(右下)内海では生徒さんが「紋甲いか」発見! 芦北のアマモ場でこんな大きいのがいるとは!・・・で初めてみました。

 

 

 

↑ 北野研究員は、アマモ場底質の採取と、性質が変化する前に現場でデータ取得です。

当社は、2018年から、和歌山工業高等専門学校 物質工学科 准教授 楠部先生の研究室と、

共同研究体制でありますが、現在、国内各地のアマモ生育環境のデータ取得を同一機材・同一作法で行っています。

今シーズン複数機会目ですが、今月も実施です。

(右下)現場で測定するデータの他、当社水俣ラボに戻ってから測定する項目もあります。

 

 

 

↑ 干潟活動中、ドローンが飛んできました。

あとの空撮データ取得でも示しますが、今月のフライトは干潟活動日と同日で実施にて、

潮位別3段階で行いました。オペレーターの高峰さん、長時間にわたり有難うございました。

この後は、ドローン撮影・画像動画クリエーターでもある高峰さん画像調整の素敵な画像3枚です。

 

 

 

 

(ここからまた筆者(園山)撮影画像に戻って・・・)

 

↑ 干潟活動後、堤防上で集合写真。おつかれさまでした!

 

 

 

<空撮データ取得>

 

↑ 今月も2021年春から続けているアマモ場空撮画像取得実施も含めて、地元のドローンオペレーター高峰さんに依頼です。

(左上)飛行計画書を作成し、

(右上)登録しているコースをフライトし、毎月同一エリアのデータ蓄積です。

 

 

 

↑ 堤防とアマモ場(内海)。堤防を歩いているのは私です。

 

 

 

↑ 俯瞰画像も毎月撮影していますが、久しぶりに掲出で比較です。

2020年7月に発生した大雨により外海(堤防の南側・画像では右側)エリアの自生アマモ場は消失してしまいましたが、

画像でわかるほどではありませんが、少しずつアマモが戻り始めています。

 

 

 

↑ 5月は別日でもフライト実施。先日取得の毎月同一潮位での空撮画像が解析に使えないことがわかり

(太陽の向きと風による波の組み合わせで不都合発生)、リトライです。

日没に近い時間で(一定潮位ありきのため)、初挑戦の太陽の傾き時間でしたが、良好なデータが取得でき、経験値アップです。

 

 

 

その他、アマモラボも水槽試験が進行しており(今回画像なし)、

干潟でのアマモ観察データとともに、芦北高校の研究活動は順調にデータ蓄積中です。

 

 

≪次回の活動機会記録≫

 

 

 

 

≪ご参考:芦北高校との活動記録リンク集≫

【2018年12月】 : 共同研究体制スタート。アマモ班と初顔合わせ。
【2019年 2 月】 : 芦北高校に当社研究水槽設置。アマモ班との座談会。
【2019年 3 月】 : 深夜の定植活動
【2019年 4 月】 : 明るいときの定植活動(この月より最干潮時間が陽が高い時のため)
【2019年 5 月】 : 花枝採取、マリンチャレンジプログラム授与式
【2019年 6 月】 : ロープ式下種更新法でのアマモ場造成
【2019年 7 月】 : 土壌採取、分析
【2019年 8 月】 : 土壌採取、分析、取材
【2019年 8 月】 : 芦北高校「優秀賞」
【2019年 9 月】 : アマモ観察、採取
【2019年10月】 : アマモサミット・芦北高校もプレゼン
【2019年11月】 : アマモ観察、採取(この月より最干潮時間にあわせて深夜活動)
【2019年12月】 : アマモ移植(試験区設定)、観察、採取、取材
【2020年 1 月】 : アマモ移植(試験区設定)、観察、採取、当社ラボ見学来訪
【2020年 2 月】 : アマモ移植(試験区設定)
【2020年3・4月】 : アマモ移植(試験区設定)、観察
【2020年 5 月】 : アマモ試験区観察、採取
【2020年 6 月】 : ロープ式下種更新法でのアマモ場造成・試験区観察・ドローン飛行による撮影・芦北町環境基本計画掲載
【2020年 9 月】 : 豪雨後の記録1<堤防から見た画像>
【2020年 9 月】 : 豪雨後の記録2<上空・水中から見た画像>
【2020年10月】 : アマモ種子選別
【2020年11月】 : アマモ観察、移植(試験区設定)、種子洗浄、海辺の自然再生・高校生サミット2020
【2020年12月】 : アマモ観察、移植(試験区設定)、「高校生マイプロジェクトAWARD in 熊本・益城」
【2021年 1 月】 : アマモ観察、移植(試験区設定)、空撮画像取得開始
【2021年 2 月】 : アマモ観察、移植(試験区設定)、アマモ種子試験、空撮画像取得、光量子測定
【2021年 3 月】 : アマモ観察、移植(試験区設定)、アマモ種子試験、空撮画像取得、高校生マイプロジェクトAWARD 全国summit
【2021年 4 月】 : アマモ観察、移植(水槽生育分)、アマモ種子試験、空撮画像取得、マリンチャレンジプログラム授与式
【2021年 5 月】 : アマモ観察、移植(水槽生育分)、ロープ式下種更新法、アマモ種子試験、空撮画像取得
【2021年 6 月】 : アマモ観察、移植(水槽生育分)、ロープ式下種更新法、空撮画像取得、日本沿岸域学会参加
【2021年 7 月】 : アマモ観察、空撮画像取得、くまもと環境賞受賞
【2021年 8 月】 : アマモ観察、空撮画像取得、マリンチャレンジプログラム全国大会出場へ
【2021年 9 月】 : アマモ観察、空撮画像取得、アマモ種子選別、アマモポット苗作成
【2021年10・11月】 : アマモ観察、移植(試験区設定、水槽生育分)、空撮画像取得、アマモ種子選別、光量子測定、SPAD値測定
【2021年12月】 : アマモ観察、移植(試験区設定、水槽生育分)、空撮画像取得、SPAD値測定
【2022年 1 月】 : アマモサミット・芦北高校もプレゼン
【2022年1・2・3月】 : アマモ観察、移植(試験区設定、水槽生育分)、空撮画像取得、SPAD値測定、水槽環境構築、マリンチャレンジプログラム全国大会、サイエンスキャッスル九州大会
【2022年 4 月】 : アマモ観察、空撮画像取得、水槽構築、光量子測定
【2022年 5 月】 : アマモ観察、空撮画像取得
【2022年 6 月】 : ロープ式下種更新法、空撮画像取得
【2023年 1 月】 : アマモ観察、移植(試験区設定)+4月追記(アマモ場昨年比較)
【2023年 5 月】 : アマモ観察、ロープ式下種更新法、取材