水俣環境アカデミアジュニアサイエンスセミナー(2022年8月4日)

熊本県水俣市内を中心とした小学校高学年~中学生向けの「水俣環境アカデミアジュニアサイエンスセミナー」が開催され、

当社・アグリライト研究所も2020年度2019年度に続き、講師役の役割にて参加させて頂きました。

(2021年度は、延期しながら開催の機をうかがっていたようですが、結果中止となってしまいました)

 

このセミナーは、水俣市の案内によると「大学の教員や研究者等が講師となり、

SDGs未来都市水俣の将来を担う小中学生に対し、各学校で行う環境学習よりさらに専門的な実験・実習を通して、

知見を広めることにより、自ら考え自ら学ぶことのできる人材育成を図ることを目的とするもの」とあり、

今年度も、参加者規模を約20名と縮小して(2019年度は約50名)、

各テーマ(各大学等)4~5名「5テーマ」(2019年度は、6~8名にて「7テーマ」)にて開催されました。

(開催まで情勢にあわせて欠席連絡も多かったようで、各テーマ2~5名、当社「アグリライトスクール」では3名となりました)

 

 

今年度テーマも「植物をはかってみよう」(過去含め3機会同一)として「味」に着目。

『植物には様々な「味」がある。しかし、その「味」が、「どれだけ甘いのか」「どれだけ苦いのか」

「どれだけすっぱいのか」は人それぞれの感覚でしかない。

そこで、今回はその中でも「甘味」「酸味」を様々な果物で測定して、比較する。』をテーマ目標としました。

前回2020年度(11月開催)と同一内容ですが、今年度は夏(8月開催)となるので、

改めて、約1ヶ月前から、どのような旬の果物を選んだらいいか、所有測定機器で数値化できるか、作業時間はどれほどかかるかなど、

検証・準備を進めてきました。

 

 

 

↑ 会場は、水俣環境アカデミア。

受講生受付8時半スタート前から準備開始、今年もアカデミア職員さん力作の「ウェエルカムボード」(2020年度の時と同じ画でしたが)でお出迎え。

参加者に配られる「しおり」と当社スタッフ名札(水俣研究所所属の3名+私の4名体制)が準備されていました。

また、水俣高校のボランティアスタッフの方も1名加わり、参加者3名(全員小学4年生)に対して十分なフォロー体制で進めることができました。

 

 

 

↑ 準備進行中。左上が測定対象のメイン役。右下は時間に余裕が出たとき用の測定対象です。

 

 

 

↑ 朝9時、全参加者と講師役先生方が集合し開講。水俣市長(実際は、代役・総務企画部長)のあいさつ、各講師役先生のあいさつと進みます。

 

 

 

↑ そして、各スクールにわかれてスタート。

・私(園山)は、ここ水俣に本社がある会社として、

『栽培環境によって植物(野菜アマモ)がこう変化します!・・・の研究している

(その技術を使いたい企業や目的がある)』ことをお伝えし(左上)、

・北野研究員より、本日の流れと、ヒトは味をなぜ感じるのか・どういう項目(酸味を感じるなど)で表現できるかを説明(右上)、

・そしていよいよ実験開始で、

まずは準備された果物たち「リンゴ・オレンジ・ブドウ・レモン・トマト」を実食し、感じた甘さや酸っぱさの順位を記入していきます(左右下)。

 

 

そして、測定装置にかけるために果汁をとっていきます。

すりおろしたり・・・

しぼったり・・・

そして測定・・・

 

↑ 「糖度」「酸度」「pH」を数値化できる装置(今回は、糖酸比計とpH計を使用)に果汁をいれて、数値を読み取ります。

 

 

 

↑ そして、自分で測定したデータとみんなのデータを比べてみます(しおりに全員のデータを記入し共有)。

ここまでで、お昼休憩までの前半が終了。食事後の休憩時間残りは、準備していた他の果物を測定したりデザートとして食べたりの時間となりました。

 

 

午後からは、全参加者が集合してセミナーごとで発表会があります。

その練習前に、測定した数値を集計・撮影した画像を編集し・パワポイントスライド15ページにまとめ、

事務局にファイルを提示し、印刷してもらう・・・という作業を、

皆さんがお昼休憩の間、こちらは限られた時間で進めていきます。

 

 

 

↑ そして、後半がスタート。

まずは早速作成したスライドで、測定数値や発表内容を伝えます(左上)。

そして、発表会を想定して、誰がどのスライドについて説明するかを決めて、発表練習を進めていきます。

この1時間弱の時間が緊張感で、今年度も通しの発表練習は1回だけとなってしまいました。

 

 

 

↑ そして全スクールが集合し、各スクール受講生によるプレゼンがスタート。

アグリライトスクールの小学校4年生3名、1回だけの練習でしたがすごい!問題なく伝えることが出来ました

(一部当方のスライド作成誤植もありましたが)。

・「糖度」は突出して数値が高かった「ブドウ」は、実食での甘さの順位は3番目だった(リンゴは、実食での甘さの順位が1番目だったが、糖度では3番目)。

・「酸度」はレモンが一番高かった(これは予想どおり。実食での甘さの順位も5番目)

・「pH」は、数値が高い(アルカリ性)と「苦味」が強く、数値が低い(酸性)と「酸味」(すっぱさ)が強い

の3点がまとめられ、実食と実測数値の違いや同時に感じる舌の機能(の入り口)の実感とともに、

プレゼン・多くの質疑応答を経て終了できました。よかったです!

 

 

 

↑ 全スクールの発表が終わると、参加者の皆さんには修了証が渡され(郵送。全参加者代表の参加者のみ手渡し)、

締めは、今回の会場「水俣環境アカデミア」の所長・古賀先生による講評。

そして集合写真撮影と、約7時間のイベントを終了しました。

受講生のみなさん、サポートいただいた水俣高校生さん、おつかれさまでした!

 

 

昨年度は延期後中止となってしまいましたが、今年は計画通りの自由研究題材向け夏休み時期に実施となり、

当方としても、「ヒトの感覚を数値化、その数値で比較・・・する視点」をお伝えできましたので、有意義な機会となりました。

情勢により対面イベントが減少しておりますが、今年度も本社所在地の水俣市からの依頼で実績となりました。

今後も、お役に立てることがあればと思います。

 

 

尚、水俣市のホームページにて、開催報告がされております。

https://www.city.minamata.lg.jp/kiji0032918/index.html

 

 

【ご参考:水俣環境アカデミアによる本年度の募集案内】